乳用牛とは大昔から友だちだった

ブラウン・スイス種(Brown Swiss)

写真1
乳専用種にアメリカで改良されたブラウン・スイス種

アメリカで改良された

 ブラウン・スイス種は、スイス原産の三用途兼用(乳・肉・役用)のスイス・ブラウン種から、アメリカで乳専用種に改良された品種です。原産地のものに比べ、体型が楔(くさび)型で角張っており、後躯(く)の肉付きは乏しいのですが、乳器の形状、乳房の発育は良好で、完全な乳用牛の体型を示しています。被毛は全身灰褐色の単色で、鼻鏡と口の周辺が「糊口(のりぐち)」といって白色になっているのが特徴です。

 乳量は年間約4800kgですが、年間1万kg以上泌乳するものもいます。日本にも第二次世界大戦後、アメリカから輸入されましたが、泌乳量が少ない等の理由から特徴が生かせず、当時は普及しませんでした。しかし近年になって、チーズ等の加工用に向いていることが評価され、飼養頭数は増えてきています。