乳用牛とは大昔から友だちだった

ジャージー種(Jersey)

写真1
小型で骨が細いジャージー種
写真3
耐暑性が強いので、熱帯地方で多く利用される

鹿(しか)のような印象をもつ

 ジャージー種は、英仏海峡のジャージー島原産の乳用種です。フランスのブルトン種やトルマン種を基礎に改良されましたが、ブルトン種の影響を強く受けています。

 毛色は、明るい淡褐色から暗い黒褐色までさまざまですが、単色で体の下部や四肢の内側は色が淡く、頭、頸(くび)、尻(しり)に濃色のボカシのあるものがほとんどです。体は小型で、細くてきゃしゃな骨格をしており、顔はしゃくれていて目が大きいので、鹿のような可憐(かれん)な印象を与えます。性質は活発ですが、やや神経質です。

 体が小さいため、乳量は年間約4000kgとそれほど多くありません。しかし、乳脂肪率が高く(約5%)、脂肪球も大きいのでクリームが分離しやすく、その上、カロチン含量も高くて美しい黄色がでるので、バター原料乳として最適です。また、耐暑性が比較的強いため、熱帯地方の乳用牛の改良に多く利用されています。