乳用牛とは大昔から友だちだった
ホルスタイン種(Holstein

「乳用牛の女王」ホルスタイン種のメス

産肉性が高いホルスタイン種のオス

イギリス型のブリティッシュ・フリーシアン種
乳用牛の女王
明治時代から日本に輸入されている乳用種で、原産地は、ライン河河口の低湿地であるオランダのフリーネ地方や、品種名の由来となったドイツのホルスタイン地方です。正式にはホルスタイン・フリーシアン種といいますが、日本では省略してホルスタイン種と呼んでいます
毛色は黒と白の斑紋(はんもん)です。しかし、体格を大型にするために改良の途中でショートホーン種を交配した影響が残る赤白斑も稀(まれ)にあり、以前は失格とされて登録が認められませんでしたが、今では名号の末尾にREDをつけて登録されています。
ホルスタイン種は「乳用牛の女王」と呼ばれ、全世界で広く飼育されていますが、地域によって体型が若干異なります。アメリカ型は四肢が長くて体高が高く、体型が角張った乳専用タイプです。ヨーロッパ大陸型は後躯(く)の肉付きがよく、乳用種ではありますが、生産物としては乳と肉の両方を目的としています。これらの中間のタイプであるのがコンパクトな体で四肢が短いイギリス型で、ブリティッシュ・フリーシアン種と呼ばれています。性質は穏和で飼育しやすく、寒さに強いのですが暑さには弱く、体質はそれほど強健ではありません。
ホルスタイン種の産乳能力は年間6000-8000kgときわめて高く、中には年に2万kg以上を生産するスーパー・カウもいます。乳脂肪率は3-4%で、カロチンをビタミンAに変えて乳汁中に出すので、乳は黄色味が薄く、白いのが特徴です。しかも、乳用牛としては産肉性が高く、1日増体量は1.1kgです。現在日本の牛肉生産の中で、ホルスタイン種のオスの肥育は重要な位置を占めています。