乳用牛とは大昔から友だちだった

エアシャー種(Ayrshire)

写真1
厳しい気候条件で育ったエアシャー種のメス
写真2
エアシャー種のオス

強健な体質をもつ

 エアシャー種は、イギリススコットランド西部エア州原産の乳用種で、貧しい草地と厳しい気候条件の原産地で育てられたため、体質は強健です。体格は中型で、毛色は白地に赤褐色の斑紋(はんもん)のものが多いのですが、黒色に近いチョコレート色の斑紋のものもあります。角は琴状の独特な曲線を持っています。

 乳量は年間約4500kg、乳脂肪率は約3.9%と平均的ですが、タンパク質の含量が約3.4%と高いので、チーズ原料乳として最適です。耐寒性に優れ、粗放な飼養管理にもよく耐えるため、高緯度の地域で比較的多く飼われています。

 日本には明治11年に札幌(さっぽろ)農学校へ導入されたのを最初に、明治の末まで政府の奨励品種として活躍しましたが、ホルスタイン種よりも乳量が少ないため、その後、徐々に、乳用牛はホルスタイン種に置き換えられていきました。