乳用牛のからだのひみつ

ストレスをどう防ぐか

写真1
牛舎のつま部に大型ファンを集中して取りつけ夏も涼しく
写真2
断熱性のある波板に発砲スチロールの断熱材を貼った二重構造の屋根で暑さを防ぐ

飼育環境にも気をくばる

 どんなに血統がよく能力がある牛でも、その能力を発揮させ、効率のよい泌乳をさせるためには、飼育環境が重要になってきます。これまで、牛の飼われている環境については、あまり議論されることはありませんでした。しかし最近では、牛に心地よい牛舎の環境を整えてやることで、その牛がもつ能力を最大限に引き出せるということがわかってきました。逆をいうならば、牛にストレスがかかっているような状態では、牛の能力が発揮されないということです。そこで、牛の心地よさ(カウコンフォート)を追求した牛舎の構造や飼育法が、さかんに研究されてきています。


カウコンフォートの向上

 カウコンフォート向上のための基本的な手段は、
1.牛舎の換気をよくして、新鮮な空気が絶えず入ってくるようにする
2.牛が食べやすく十分なスペースのあるエサ場を作る
3.牛にとって快適な温度になるように、牛舎温度を調節する
 さらに、牛にとって快適な広さはどのくらいか、飲みやすい水飲み場の構造はといった事例が研究され、カウコンフォートの高い新しい牛舎が次々と開発されています。