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乳房は牛乳工場

血液を材料に乳房が乳をつくる過程 |
血液を材料にさまざまな物を合成する
乳房は牛乳を作る重要な器官です。実際に牛乳を作っているのは、乳房の中の乳腺細胞です。ここでは血液から運ばれてきたさまざまな栄養素を取り込んで、牛乳の成分に作り変えます。
牛乳の成分として重要な乳脂肪の材料は、全身に蓄えられている体脂肪やルーメンから入ってくるVFA(volatile fatty acid:揮発性脂肪酸)です。体脂肪はそのままでは使えず、一度、脂肪酸という物質に分解されます。乳腺細胞はVFAや脂肪酸を取り込んで乳脂肪を作ります。また、乳タンパク質も、乳腺細胞が血液から流れてくるアミノ酸から合成しています。さらに乳糖も同じように、血液中に流れているグルコースから乳腺細胞によって合成されます。
このように乳房の中では、乳腺細胞が血液から流れてくる材料をもとに牛乳を製造しているのです。したがって乳房は、牛の体のなかにある大化学工場といったところでしょうか。1kgの牛乳を作るために、500リットルもの血液の循環が必要です。1日45kgも牛乳を出す高乳量牛では、乳房内を通る血液量は22.5トンにもなります。
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