馬 -歴史- 馬の歴史

昔から人と一緒に暮らしてきたんだ
昔(むかし)、狩(かり)や採集(さいしゅう)をしながら移動(いどう)していた暮(く)らしから、ひとつの場所(ばしょ)にとどまって暮らすようになった人間(にんげん)は、家(いえ)のまわりにいた野生(やせい)の馬(うま)をつかまえて肉(にく)を食(た)べるようになったんだ。そのうちだんだんと農機具(のうきぐ)を引(ひ)かせたり、物(もの)を運(はこ)ぶことにも馬を使(つか)うようになっていたんだよ。
そして、馬がかけるスピードと、いくらでも走(はし)り続(つづ)けるスタミナに人(ひと)は注目(ちゅうもく)するようになり、遠(とお)くの国(くに)まで馬に乗(の)って戦(たたか)いをいどむ騎馬軍団(きばぐんだん)が生(う)まれたんだよ。
日本(にほん)でも馬は2000年(ねん)もの昔(むかし)から人と暮らしてきたんだ。戦国時代(せんごくじだい)の合戦(かっせん)でも大活躍(だいかつやく)した記録(きろく)は絵巻(えまき)などにもたくさん残(のこ)っているよ。民話(みんわ)や民謡(みんよう)にも馬はよく登場(とうじょう)しているよね。
明治時代(めいじじだい)になって、日清戦争(にっしんせんそう)や日露戦争(にちろせんどう)で、外国(がいこく)で改良(かいりょう)された馬の体格(たいかく)やスピードと日本の馬との差(さ)を強(つよ)く感(かん)じた日本は、軍事用(ぐんじよう)の馬の生産(せいさん)に乗(の)り出(だ)したんだ。サラブレッドやアラブなど有名(ゆうめい)な外国産(がいこくさん)の雄馬(おすうま)が輸入(ゆにゅう)され、日本に昔からいた種類(しゅるい)の馬のメスとかけあわせる改良が盛(さか)んに行(おこな)われたんだ。
第二次世界大戦(だいにじせかいたいせん)に負(ま)け、占領軍(せんりょうぐん)に支配(しはい)された日本では、馬に関係(かんけい)がある団体(だんたい)も、政策(せいさく)もすべてなくなってしまったんだ。そして競馬用(けいばよう)の馬の生産だけが盛んになっていったんだよ。