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蹄(ひづめ)のお手入れ

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資料:『肉牛飼養全科』(農文協 編)

どうして削蹄するの

 乳用牛の蹄(ひづめ)は人の爪(つめ)と同じように伸びるので、年に2回くらい削蹄(さくてい:伸びた蹄を切る)します。肢勢(立ち方や肢のつくり)と蹄の形がよい乳用牛は、適度に運動させることで肢や蹄が良く発達し、正常な形が保たれます。逆に、肢勢の悪い場合には、蹄の磨耗が片寄ってしまいます。この状態が長く続くと蹄はますます変形していき、これを変形蹄(へんけいてい)とよびます。

 乳用牛は一般に運動不足であり蹄の磨耗が少ないため、つま先が伸びすぎて反りかえってしまいます。これは過長蹄(かちょうてい)とよばれます。そのため重心がかかとにかかって、かかとが低くなり、立ちにくくなってしまいます。これらは病気の発生要因にもなるので、お産の場合1カ月位前には必ず削蹄してあげます。

写真1
削蹄前のツメ。歩きにくそう
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削蹄後の蹄

手入れのしかた

 削蹄は、(社)日本装蹄師会が認定した認定牛削蹄師(学科と実技両方の試験に合格して初めてなれる)により行われるのが一般的です。しかし、専門家による定期的な削蹄だけでなく、酪農家が正しい知識と基本技術を身につけて、日常的にこまめに蹄を観察し、管理することも大切です。

 蹄の弾力性はおもに蹄の水分含量に大きく影響され、水分含量が高いと柔軟性に富み、乾燥しすぎると弾性を失って、硬く欠けやすくなります。そのため蹄の状態がよくない乳用牛の手入れでは、水洗いが大切になります。これによって蹄や趾間部(しかんぶ:2つの蹄の隙間)の汚れを洗いながし、蹄に水分を補給します。水洗い後は蹄を乾かし、さらに蹄油を塗ってうるおいを保持します。

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