人間とくらす【馬と人との歴史】
トカラ馬
時代の流れに振り回されているトカラ馬
鹿児島県トカラ列島(サンゴ礁)の中之島のトカラ馬は、通常より一回り小さい体高100-120cmほどのポニーで、島民のパートナーとして共生してきました。しかし農業上の利用価値が激減したため、中之島で維持することが困難となり、島から鹿児島本土に移住しました。
その後、開聞山麓自然公園と鹿児島大学付属牧場が、トカラ馬の繁殖集団を維持しています。本土に移住したトカラ馬は、生息環境の変化で一回り大きくなりました。しかし活用の方針が立たないまま、保存に苦労しています。
このような南西諸島に現存している在来馬たちは、飼い方や使用している馬具などに琉球文化の影響を強く受けている文化遺産として貴重な存在です。