人間とくらす【馬と人との歴史】

御崎馬(みさきうま)

御崎馬
  • 写真1
    暖かそうな冬毛
     全身を被毛に覆われている動物たちは、夏と冬で毛が生え変わる(換毛:かんもう)。どんな馬でも夏と冬では見た目の印象が変わるのは、この換毛のため。写真のように長くて沢山の冬毛に覆われた在来馬の子馬の姿は、愛くるしく、ひょうきんに見える
  • 写真2
    枯れ草や落ち葉を食べながら歩く

国の天然記念物に指定された在来馬

 宮崎県都井岬で「日本の野生馬」のキャッチフレーズで親しまれている御崎馬は、体高が100-120cm程度の野生色のポニーです。国の天然記念物の指定を受けて約100頭の自然繁殖集団として維持され、都井岬の特異な環境(高温多湿、台風の通り道、ソテツの原生林のほか野芝を主体とした特殊な生物相)の中で観光資源として元気に遊んでいます。
 昭和30年代までは地域農業の担い手として活躍していましたが、農業の機械化が進んだ昭和50年代に国の天然記念物に指定され、重労働をしなくてよくなったため、体型が若干小さくなりました。


人なつっこい御崎馬と無責任な観光客

 御崎馬は人なつっこい性質で、観光客が自動車で訪れると、親馬たちは子馬を連れて次々にその周りに近寄ってきます。馬は人に馴れているので、観光客が体に触れたり、車から降りて近付いていっても、危害を加えたり逃げ出したりしません。しかし、この人なつっこさは心ない観光客が不用意に与えるお菓子に味をしめているからとも言えます。以前、観光客が与えたビニールの菓子袋を喉に詰まらせ、何頭かの馬が死亡する事故が起こりました。観光客が不用意に食べ物を与えたり、無責任に馬と接すると事故の原因になるので、観光ルールは絶対に守らなければいけません。

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