人間とくらす【馬と人との歴史】
北海道和種馬(ほっかいどうわしゅば)
北海道は馬産の後発地域だった
江戸時代中期、松前藩の藩士たちが蝦夷地(えぞち:今の北海道)に赴任するときに南部馬を連れて行き、内地へ帰るときに原野に放してきたこの馬を、北海道和種馬(体高125-135cm)と呼ぶようになりました
北海道和種馬はカラフルな毛色(鹿毛、河原毛、月毛、佐目毛など)の乗馬タイプで、道南の檜山・渡島地方の原野で自然繁殖しているのが原型です。特徴は厳しい自然の中での原始的な生活で鍛えられた丈夫な体質、原野を走り回る強靭な体力です。
明治以後、北海道は主要な馬産地に指定され、その後地域社会で多彩な活動を展開してきました。そして現在でも北海道の自然に生きる在来馬として、トレッキング、障がい者乗馬などの新しい分野での活躍が期待されています。
現在の北海道和種馬
北海道和種馬の2022年の頭数は1087頭、8馬種ある日本在来馬の約66%を占めています(出典:(公社)日本馬事協会)。持久力が豊かな北海道和種馬は、今でも地域住民のパートナーとして農民生活を支えているばかりでなく、ホース・トレッキングなど新しいニーズにも積極的に対応し、これまで数回にわたり富士登山を敢行したことは記憶に新しいところです。