人間とくらす【馬と人との歴史】
特殊法人の活動
両競馬会を中心とした関係団体の努力
競馬の健全な発展・馬の改良増殖・畜産の振興を柱とする新競馬法が適用される地方競馬全国協会と日本中央競馬会の2つの特殊法人は、国家に代って戦後の混乱期における競馬・畜産の振興に努力してきました。地方自治体が主催する地方競馬の指導・監督にあたっている地方競馬全国協会と、自らが中央競馬の主催者である日本中央競馬会とは、同じ特殊法人ではあっても役割分担と運営の方法が異なります。
中央・地方の両競馬会の努力でともに順調な売上げを示し、関係団体の協力も得て、昭和50年頃には競馬ファンが1千万人を越す競馬ブームとなり、競馬場およびその周辺地域の整備などの公共事業も支援され、空前の競馬全盛時代となりました。
バブルの崩壊と競馬の変貌
オイルショック以後、競馬の売上金は次第に減少傾向を示し、とくに地方競馬の売上金が急速に下降線をたどり始めました。中央・地方の両競馬会は外国人騎手招待レースや、地方競馬招待レースの新設など番組編成における相互乗り入れの具体化に努力してきましたが、ファン層や地域によるニーズの相違が異なる中での対応に苦慮しています。
その結果、中央競馬はサラブレッド(サラ)系、地方競馬はアラブ(アラ)系に層別化される傾向が加速しましたが、生産界からの強い要望から、地方ではサラ・アラ系競馬の両者が実施されています。