馬トップ >> やさしく声をかける >> 馬も人も、しつけが大切【飼育上の注意】 >> 義務教育と高等教育
|
|
義務教育と高等教育
乗り手の指示に従って動く
しつけ(馴致:じゅんち)と教育(調教)は、明確に区別できるものではなく、いつも同時平行的に進めます。
馬の義務教育にあたるのは、人の声に耳を傾ける、おとなしく手入れを受ける、じっと静かに立っている、人について歩く、頭絡を付ける、鞍を置く、人を乗せる、合図通りに発進・停止する、歩く・走る、スピードや方向を変える、人の指示に従って集団行動ができるなどです。これらを教える手順が少しでも違うと馬が戸惑うため、あせらずにいつも同じ手順で気長に教えることが大切です。
教育の進み方は、人間の子供と同じように、速く進む馬もいれば、ゆっくり進む馬もいるので、個体によって異なりますが、3歳(人間の年に換算すると12歳)までには義務教育を修了させるのが努力目標となります。
単独行動がとれる
群れを離れて単独行動をとり、乗り手の指示通りに動き回るようになるためには高等教育が必要です。
馬の歩き方は常歩(なみあし・ウォーク)、速歩(はやあし・トロット)、駆歩(かけあし・キャンター)、襲歩(しゅうほ・ギャロップ)の4段階があり、分速180m、220m、330m、800mと次第にスピードが速くなります。
停止した状態から一気に駆歩したり、駆歩していて急に停止するなどの、急に違う動作に移るといった応用動作は、高等教育の成果で、馬と乗り手のコミュニケーションが十分でないとできません。
乗り手が与える特別な扶助(ふじょ)
乗馬したときに乗り手の意向を馬に伝える合図である扶助は、騎坐(きざ:すわって乗っていること)、脚、拳の3要素による微妙な動作です。要求される動作が複雑になればなるほど繊細な扶助が必要となり、3要素の協調動作の強さとタイミングなどがバランス良く実行されることが大切です。
|