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肉用牛の先端技術

凍結された精液 |

培養細胞の核移植により生まれたクローン牛 |
核移植やコンピューター制御給餌(きゅうじ)装置でリードする日本
●核移植技術
かつて、雄牛と雌牛の交尾によって種付けしていた繁殖は、近年は優秀な雄牛の精液を採取して凍結保存し、必要な精子数を人工的に授精させる方法に移行しています。この人工授精によって1頭の雄牛から何万頭もの子牛を採ることが可能になりました。
さらに現在は、優秀な雄牛の精子と優秀な雌牛の卵子から受精卵をつくり、これを培養して借り腹(雌牛)に移植し、優秀な牛をつくる受精卵移植も行われています。
また最近は、クローン技術も進歩しています。クローン技術には、優秀な牛の体細胞から核を採り移植する技術(体細胞クローン技術)、もう一つは受精卵の核を採り別の卵子に移植する技術(受精卵クローン技術)の2種類があります。日本でもよりよい肉牛を生産するための研究が進められています。
●コンピューター制御の給餌装置

自動給餌機 |
また飼料給餌では、アメリカが牛の能力に応じた栄養成分を粗飼料と濃厚飼料を混合してつくるTMR(total
mixed ration:完全混合飼料の略。エサをあらかじめ混ぜてから与える方法です)方式を開発して、高泌乳量群を飼養する技術を生み出しました。これには大型のミキサーワゴンと人力が必要ですが、日本では草地試験場がコンピューター制御によるTMR自動調製・自動給餌装置を開発しています。この装置は好きな時に好きな濃度のものを、好きな量だけ給与できるハイテク装置です。
さらにコンピューター制御の完熟堆肥(たいひ)自動調製装置も完成し、現在、両装置とも全国20カ所で稼働して効果
を上げ、注目されています。
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