羊肉

ラムとマトン

　羊肉にはラム（生後1年未満の子羊肉）とマトン（生後1年以上の羊肉）がありますが、マトンのうち、肉質がラムに近い生後2年未満のものをホゲットと呼ぶこともあります。
　かつて、日本では値段の安い冷凍マトンが大量に輸入され、独特の臭いを消すために、濃い味つけをしたジンギスカン料理で食べられていました。しかし現在、日本で行われている羊肉生産はラムを主体とするもので、一部にホゲットが加わることがあるものの、マトンについては一部の地域を除いてほとんどありません。

ラムはヘルシーな食肉

　ラムは風味豊かで柔らかく、栄養的にも鉄分やビタミンB類、それにコレステロールを減らす不飽和脂肪酸などが豊富に含まれたヘルシーな食肉であり、欧米諸国では高級肉として賞味されています。また、中国では古くから滋養によいとされ、イスラム教国やキリスト教国では祝宴のごちそうであることから、日本においても、海外からの国賓を招いての宮中晩さん会では、メインディッシュに羊肉料理が出されます。
　国内で消費されている羊肉のほとんどは、オーストラリアやニュージーランドから輸入されたものであり、国産羊肉の割合はわずか0.4％（180トン程度）にすぎません。しかし最近では、北海道で生産された新鮮なラムが、首都圏のレストランなどで高い評価を受けています。また、今後さらに需用者が求める品質のよい国産ラムを安定して供給していくため、平成9年よりラムの枝肉規格と格付基準が制定・公表されました。

資料：ラム枝肉規格　枝肉規格基準、（社）畜産技術協会