養豚場へ行こう
淘汰と更新
淘汰(とうた)と更新
繁殖豚としての能力が低下し、経営的な観点より豚群から除外することを淘汰といいます。そして、経営を継続させるために、新しい個体を導入し、新しい豚群を編成することを更新といいます。
肉豚生産のための繁殖には、良質で消費者の嗜好(しこう)性にあった資質を備えた繁殖豚が要求されます。繁殖に用いる母豚は1年間に2-2.2回の繁殖が可能なので、4-5年間で8-10回以上の分娩も可能です。
母豚の淘汰基準としては、
1. 2回の発情でも受胎できない
2. 2回の分娩とも産子数が5頭未満
3. 分娩後、手当をしても50日間発情しない
4. 乳量が少なく、哺乳能力が低い
などの項目があげられます。およそ、1年ごとに農場全体の1/2-1/3の母豚を更新するのが理想とされています。
また、種雄豚は生後8-10カ月で交配可能となり、その割合は3日に1回といわれ、5年間くらいは供用するので、生涯で500-600回程度の交配をすることになります。しかし、年齢をとるにつれて、精子数の減少、奇形率の向上が目立ち、乗駕(じょうが)欲に欠け、四肢の張りも弱くなり、目的を達成する能力が低下するようになってきます。このようになった種雄豚も淘汰します。
更新に用いる豚は、母豚も種雄豚も自己の農場内で調達する場合と、場外から導入する場合があります。場外からの導入では予め、繁殖能力の程度や繁殖障害の有無を調べ、検疫を必ず実施し、急性や慢性の感染症に注意しなければなりません。