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病気の種類と症状、治療法

呼吸器疾患

 牛には肺炎や気管支炎のような疾患がいくつかあります。これらの疾患は、細菌やウイルス、マイコプラズマのような微生物によって引き起こされる場合が多いようです。この病気にかかると咳や鼻汁、発熱といった症状があらわれます。
 現在、症状が重く伝染力の強い疾患についてはワクチンが開発されており、かなりの割合で予防できます。

創傷性横隔膜炎・創傷性心膜炎

 牛は細長いものなら何でも飲み込んでしまう習性があります。飲み込んだものが釘や針金のようなもので、それが第2胃を突き抜けてしまった場合、すぐとなりにある横隔膜、さらに進めば心臓を包む心膜を傷つけてしまいます。このような疾病を、創傷性横隔膜炎または創傷性心膜炎といいます。この病気になった牛は、痩せてしまい、泌乳量も乳質も低下してきます。

 軽度なものなら胃の中に強力な磁石などを入れて、突き刺さっているものを取り除くこともできますが、たいていは治療の施しようがないので、廃用にするしかありません。
 予防のため、普段から胃の中に強い磁石を入れる、牛のまわりに釘や針金などを置かないように注意するなどします。

寄生虫病

 牛にはいくつかの危険(きけん)な症状を示す寄生虫疾患があります。例えば大型ピロプラズマ病は、法定伝染病に指定されているくらいの重い寄生虫病で、赤血球中に大型ピロプラズマという寄生虫が寄生し、激しい貧血を起こします。一方、同じピロプラズマ病でも、小型ピロプラズマ病という疾患は、小型ピロプラズマが寄生しただけでは発症しませんが、一度発症すると極度の貧血が起こって、牛の生命にかかわることもあります。

 消化関係の寄生虫で最も問題の多いのが、肝蛭症(かんてつしょう)という病気です。この寄生虫は肝臓を荒らしたあげく、胆管で産卵をし、虫卵をまき散らします。この虫に寄生された牛の肝機能は著しく低下し、その牛の産乳能力も下がってしまいます。

繁殖障害

 何らかの理由で繁殖できなくなった状態をさします。繁殖障害には以下のようなものがあります。

1.発情の異常:性成熟期になっても発情しない、発情が弱くて分からない、不定期に起きるなど、繁殖ができない

2.生殖器の異常:子宮や膣といった生殖器の異常によって繁殖ができない

3.低受胎:何らかの原因で、受精卵が着床しなかったり、着床後、すぐに死んでしまったりして、繁殖ができない

 これらの繁殖障害は飼い方に問題があったり、飼料の栄養バランスが悪かったりすることが多く、問題を的確に見つけだし対応すれば、解決されることも少なくありません。ただし、先天性異常(生まれつき、生殖器の異常がある場合、例えばフリーマーチンや染色体異常のようなもの)の場合は治療法はありません。

胃腸疾患(第1胃の疾患)

 乳用牛の疾患で最も多いもののひとつが、消化管に関係する疾患です。その中でも特に多いのが、「ルーメン」と呼ばれる第1胃についてです。これらの疾病には獣医師の適切な治療が必要です。

鼓脹症:

発酵しやすいエサを大量に食べてしまった場合に起こります。第1胃の中で急激に発酵が進んでしまい、発酵で生じたガスが第1胃にたまり、巨大な風船のように第1胃がふくらんだ状態になります。このようになると、牛は呼吸ができなくなったり、体液の循環ができなくなって死んでしまいます。この場合、獣医師による治療が早急に必要です。

ルーメンアシドーシス:

エサのバランスが悪く、発酵によって第1胃内が酸性化してしまう病気です。これは、急に発病したり、じわじわとゆっくり発病したりするので、牛の生産性を著しく落としてしまうこともあり、大変悪質な疾病です。これを防ぐためには、飼料の給与順序や給与回数などの注意が大切です。

代謝病

 生産性を追求して改良されてきた乳用牛は、乳を出すという特殊能力を持つと同時に、微妙な代謝バランスの中で生きています。そのため、ちょっとしたことで栄養のバランスをくずし、いわゆる代謝病と呼ばれる病気にかかりやすくなっているのです。とくに分娩期には、血中のカルシウムが足りなくなって乳熱のような疾病にかかったり、栄養が足りなくなりケトーシスや脂肪肝といった病気にかかったりします。

 このような代謝病にかかった場合、獣医師の的確な治療があれば、死亡する割合は低いのですが、牛の生産性は落ちてしまいます。このような病気にならないように、普段から栄養のバランスを考えた飼養管理を行い、代謝病を予防することが重要です。

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