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お産前21日の管理
乳熱にかかった牛。立ち上がれず座り込んだままになってしまう
重要視されるクローズアップ期の管理
乳用牛にとって、乾乳期は前回の泌乳期の疲れを癒し、次の泌乳期の準備をするための大切な期間です。そのため、この時期の管理は酪農家にとって重要な仕事です。
とくに重要なのが分娩前の3週間で、この期間を一般にクローズアップ期とよびます。この期間の乳用牛の身体は、これから生まれようとしている胎児の成長と、泌乳に備えての乳房の準備、さらに自分自身の身体を維持するための栄養摂取と、大変微妙な状態にあります。この時期の飼養管理を間違えると、お産の時、重大な事故につながりかねません。そこで他の牛とは別に管理して、専用のエサを与えたりする工夫がされています。
乳熱はクローズアップ期の管理で予防できる
乳用牛がかかる病気のうち、酪農家が最も恐れるもののひとつに乳熱(にゅうねつ)があります。これは、分娩後に牛が倒れて立てなくなってしまう病気で、血液中のカルシウムの低下が原因です。
乳用牛は分娩の少し前から乳を作り始めます。この時、多量のカルシウムが必要になるため、血液中のカルシウムが不足し、分娩後に立てなくなってしまうのです。
そこで、分娩前にビタミンDを与えてカルシウムの吸収をよくする、経口カルシウム剤を与えるなどの工夫がされてきました。また、ナトリウムやカリウムなどの陽イオンが多いことも発病の原因となるため、クローズアップ期にはこれらを含むエサを控えることも予防につながります。
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