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乳用牛のからだのひみつ  

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胃の構造と働き

写真1
第1胃の内壁 もっとも大きな容積をもつ。内壁には多数のじゅう毛がみられる
写真2
第2胃の内壁 内壁の形からハチの巣胃とも呼ばれる
写真3
第3胃の内壁 大小の第3胃葉がみられる
写真4
第4胃の内壁 胃が1つしかない動物の胃とほぼ同じ働きをする

牛の胃は4つもあります

 最も大きい胃は、エサが食道から真っ先に入る第1胃(ルーメン)で、成牛だと120リットルもあります。第1胃に共生している微生物の作用によって、草などのエサを発酵・分解し、栄養素として利用できる形に変えます。人間の場合、食物中の繊維は5%程度しか消化できませんが、牛ならばは50〜80%程度できます。
第1胃の表面は大小のじゅう毛が密生していて、表面積を大きくしています。これは微生物が発酵してできた栄養素をできる限り効率よく取り込むためです。特に乳用牛にとって、第1胃の状態は泌乳量や乳質に大きな影響を与えるので、絶えず良好な状態を保つことが重要です。

 第1胃の先には第1胃の作用を助ける第2胃があります。内面はハチの巣のようなひだを持っているので、別名「ハチの巣胃」と呼ばれています。さらに第2胃の奥には第3胃があります。第3胃は葉っぱのようなひだが何枚も重なって、内容物をすりつぶしているような構造になっています。そのため、別名「葉状胃」と呼ばれています。この胃が何のためにあるかまだ分かっていません。ここまでが前胃と呼ばれる部分で、食道が変化したものです。したがって前胃では消化液の分泌はしません。
 4つ目の胃は、他の動物と同じ機能をもつ第4胃です。ここでようやく胃液を分泌する本当の胃となるわけですが、牛の場合、胃が1つしかない他の動物に比べると消化作用はあまり強くありません。ここまで来るあいだに多くの食物が細かく分解されており、他の動物のようにここで強い消化作用をする必要がないのです。

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