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世界の肉用牛生産の現状

ヘレフォード種 |

アバディーンアンガス種 |

ブラーマン種 |
世界の生産量の24%を占めている米国
世界の牛の飼養頭数は13億5100万頭(2001年)。最も多く飼育しているのはインドで2億2000万頭、次いでブラジルの1億7200万頭、中国の1億600万頭、アメリカの9700万頭と続きます。
ここでは、とくにアメリカの肉用牛についてその概要を示します。2001年の世界の牛肉生産量は5665万トンで、このうちアメリカが1198万トンと生産量の約21%を占めており、牧草地や野草の放牧面積も2億3900万haと広大な面積を有しています。(ここまでの資料は、『国際農村水産統計2002』農林水産省、平成15年3月)
アメリカの生産者は、一般に自分の農場を本拠地に繁殖牛を飼育し、子牛を生産しています。しかし、近くにある広い公有地に放牧する権利を持っているところから、低コストで夏場にオスとともに放牧し、大部分を自然交配にしています。
生産された子牛は体重250kgくらいで販売され、肥育農家はトウモロコシサイレージと穀類を給与し、体重約500kg前後に仕上げます。低コスト生産を追求して、子牛の時は広い牧場で放牧、肥育時期にはコーンベルト(トウモロコシが広く栽培されている地帯)に移り肥育されるのです。
肉用牛の品種はヘレフォード種、アバディーン・アンガス種ですが、南部ではブラーマン種の交雑種が大部分を占めています。交雑種の特徴は雑種強勢(雑種は純粋種より能力が高い)が現れることにあります。例えば、雌牛では繁殖能力や母性能力が高まり、子牛の死亡率が低下したり、子牛の増体重が改善され、子牛の生産年限も長くなるなどの利点があるからです。
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