ヤギってこんな動物
![]() からだはこうなっている! |
●長い長いおつきあい―家畜(かちく)になったヤギ
西アジアの山岳(さんがく)地帯にいた野生のヤギを、家畜として飼い馴らしたものと考えられています。やがて西はヨーロッパ、東は中国や東南アジアと、さまざまな地域(ちいき)に広がりました。
日本へは肉用ヤギが700〜800年ごろに入ってきて、九州や沖縄(おきなわ)の島々で、自家用に飼われていたようです。とくに沖縄では今でも「ヒージャー」とよんで親しまれており、ヨモギをたくさん入れたヤギ汁(じる)、ヤギ刺(さ)しなど、数多くの料理法があります。
それに対し乳用(にゅうよう)ヤギの歴史はわりに新しく、江戸(えど)時代の終わり(嘉永年間:かえいねんかん)にペリー提督(ていとく)が持ち込(こ)んだのが始まりとされています。今では飼われている数は少なくなってしまいましたが、ヤギ乳は栄養豊富で消化がよいこと、牛乳アレルギーの人も飲めること(※)などから、そのよさが見直されてきています。
(※)牛乳アレルギーの原因になる物質のひとつ、αS1-カゼインを含まないため。ただし、べつのアレルギー原因物質であるβ-ラクトグロブリンを含(ふく)むので、ヤギ乳はアレルギーをまったく引き起こさないわけではありません。
●ヤギが好きな食べ物は?
ヒツジや牛と同じ草食動物で、好物はイネ科のかたい草です。くちびると下の前歯、歯ぐきをじょうずに使って、短い草も根こそぎ食べます。
食べた草は何度も反すう(一度食べた草を口に戻(もど)してはかみかえし、また胃に戻す)して、胃の中にすむ微生物(びせいぶつ)のはたらきで草を消化します。