飼育事例:太平寺幼稚園・ヒツジ

●3 生活のなかで動物を体験させたい

 太平寺幼稚園では年間のカリキュラムにのっとり、さまざまな羊毛製品を園児たち自身の手でつくる。
 たとえばフエルトボールは、ふわふわの羊毛をきれいに並べて石けん水をかけ、手でしっかり丸めてつくるおもちゃ。力を入れないと途中で分解してしまうので、子どもの集中力を必要とする作業だ。ほかにも、木枠の織り機でカバンをつくったり、編みぐるみ、パペットづくりなど、その内容は多岐にわたる。
 ものができるまでの段階を体験することで、プロセスの見通しができるようになるのだという。かつこれらの作業には、子どもたちの心を落ち着けてくれるメンタルケアの効果があるそうだ。

 羊毛にはもちろん、園のヒツジの毛が一部使われ、そのための毛刈りも、年中行事としても組み込まれている。今でこそ子どもたちが飽きる前に手早く刈る段取りが身についたが、
 「飼って一年目は、毛刈りの仕方もわからなかったので業者に頼みました。するとなんと、本場のオーストラリア人が来たんですよ」と北口先生。

 翌年からはフエルト作家の大坪桜子先生と一緒に、自分たちで毛刈りを始めたが、バリカンを使いこなすのに苦労したそう。羊毛の利用法を学ぶため、手紡ぎの研修に通い、紡ぎ車も購入した。職員室の前で紡ぎ車を動かしていると、子どもたちが自然に集まってきて、「これ何に使うの? 私もやってみたい!」と手を出すそうだ。

 毛刈りから羊毛にするまでの一連の流れを体験、もしくは目にすることで、
 「少なくともうちの園の子らは、羊毛が羊からできているということは、確信をもって言えますね(笑)」と、北口先生は笑う。


フエルトの帽子もリリアン編みのマフラーも自分の手づくり

フエルトづくりに夢中

首飾りをつくったことも

木枠を組んだ織り機で羊毛の織物を編み上げる

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