飼育事例:武蔵野大学附属幼稚園・ウサギとニワトリ


自然がいっぱいの幼稚園。井戸水を汲み上げるポンプや、自然木を利用した遊具も

●4 「今もフェレット、いますか?」

 この幼稚園は、武蔵野女子学院中学校・高校、そして武蔵野大学を擁する学園の一角にあり、子どもたちは四季折々の豊かな自然を体験できる。散歩のたび、クルミやドングリを拾ってきたり、ポケットいっぱいにダンゴムシを捕まえてみたり。とってきた梅で梅干しを漬けるのも、年中行事のひとつなのだとか。「虫が嫌い、さわれないという子どもは、この園ではいないのじゃないかしら」と、井上先生は笑う。

 また、こんなこともあった。園の同窓会にやってきた一人の女の子が、職員室に入って来るなり「先生、今もフェレット(イタチ科の小動物)いますか?」ときいてきたという。
 このフェレット、十数年前から職員室で飼われていて、愛らしい姿が子どもたちの癒しになっていた動物。しかし残念ながら、その女の子がたずねてくる3カ月ほど前に死んでしまったところだった。

 井上先生は「卒園してから何年たっても、その子の心にバックス(フェレットの名)が残っていてくれたことがうれしかった」
 とおっしゃり、重ねて、
 「バックスが死んだのは、子どもたちの月一回のお誕生会の日だったんです。最初はそのことを報せるのをためらったのですが……ひとつの命が終わった日と、新しい命をお祝いする日が重なったことに何ともいえない感慨があり、結局、お誕生会の前にお別れ会をしました」とお話しされた。
 仏教幼稚園ということもあり、“ひとつしかない命を尊重する”“人は食べ物から命をいただいて生きている”ということが、考え方の基本になっている。園での動物とのかかわり方にも、それがあらわれているのだろう。


職員室の“癒し系”だったフェレットのバックス。冷蔵庫には今も写真がはってある

卒園した子からバックスに絵手紙が送られてきたことも

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