飼育事例:武蔵野大学附属幼稚園・ウサギとニワトリ

●2 ニワトリのいる小屋、アゲハのいた教室

 年長組がニワトリの世話をするようすも見せてもらった。当番の子が鶏舎のトビラを開け「でていいよ!」と大きな声をかける。
 「巣箱を高い位置に取り付けてあるので、自分より高いところにニワトリがいる時、子どもは鶏舎に入るのがちょっぴりこわいみたいです(笑)」とほほ笑む、担任の中澤亮子先生。基本的に温和しい性質なので何の心配もないのだが、ニワトリの後ろに回って何なく抱え上げられる子もいれば、なでるのが精いっぱいの子もいる。日によっては、あまりにかわいいのか、ニワトリを抱きしめて離さない子もいて、「ニワトリさんも疲れちゃうよー」と、中澤先生がストップをかける時もあるそう。

 世話は掃除にエサやり、水の取り替えが基本。それぞれホウキとちりとりを持ち、小屋の隅から隅まで、きちんと掃く。「床にフンがたまっちゃったね」「なくなるまで、ちりとりでいねいに集めよう」、当番で相談しながら進めていく。

 また中澤先生のクラスではこの春、教室で飼っていたアゲハチョウの羽化を観察したのだという。「本当にたまたま、みんながいる朝の時間帯に羽化してくれまして。しばらく教室に放していたのですが、かわいそうだからと逃がすことに。外の畑で離したらなんと、どこからともなくもう一匹、アゲハがやってきて、一緒に舞ったんですよ。それはもう、感動的な光景でした」

 そのあとも、園庭に植えたカンキツの樹にアゲハがくるたび「あの時のアゲハがお礼にやってきたんだ!」とみなで言ったそう。「本当はそんなわけないのですが(笑)。でも逃がしてよかったという気持ちに子どもがなってくれて、ホっとしました」と、先生は胸をなでおろしたそうだ。


鶏小屋

小屋の中をていねいにお掃除

当番が終わったら、しっかり手を洗う

アゲハが孵化した時の様子をプリントにして園内にはってある

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